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今日の4枚 [「クラシック名録音究極ガイド」実聴]

春ごろに「今夏は猛暑」と言われていたのがウソ(節電を煽る謀略?)のように過ごしやすい気温の日が続く。
おかげでイヤホンの登板回数は思ってたよりも伸びず、ヘッドフォンな日々が続く。
で、今日のお供は、iPodTouch3G+solo+The Continental+DT1350。

今日も相変わらず「クラシック名録音究極ガイド」紹介曲を聴く。
最初は、メンデルスゾーン交響曲第3番(ペーター・マーク、LSO)。
これもウィルキンソンが録音した他のレコードと同様に、暖色系統の音なのに細部がボケない、奥行き感のある音場の再現、何よりも一つひとつの楽音がバラけずに連担する表現が素晴らしい。
ただし、マスターテープの磁気層が汚損しているようなノイズもチラホラあるのは仕方のないところ。
以前別の盤について書いたことがあるが、こーゆーマスター汚損に伴うノイズをディジタル技術で無理に消し込むよーなことはしないほうがよいと思う。
ノイズとともに微細な信号(主としてホールトーン)も一緒に除去されてしまうおそれがあるので。

2枚目は、「イギリス黄金時代のリュート・デュエット集」。
2本のリュート演奏を瑞典BISが録音した。
瑞典BISといえば、素人同然のシンプル録音機材でメジャーレーベルでは聴けないようなナマナマしい録音をやってのけるレーベルだ。
本盤も不気味なほどにナマナマしい。
まさに、すぐそこで演奏しているのを聴くかの如し。
故・長岡鉄男の記事で読んだのだが、瑞典BISでは1981年にSONYが民生用に発売したSL-F1(ポータブルのベータマックス録画機)とPCM-F1(ビデオレコーダでPCM録音するためのプロセッサ)を使っていたと記憶している。
だが、このリュート集は1984年の録音なのにアナログ録音だ。
その証拠にたしかにヒスノイズが聴かれるし、CDには「AAD」とある(これは録音、ミックスダウンまではアナログで行われたことを示している)。
現に「……ガイド」にはミキサーとオープンリールのテープレコーダの型番も明記してある。
レコーダはプロ用スチューダーではなく、民生用ルボックスA77だ。
曲によって、SONYのPCM録音機とルボックスを使い分けていたとゆーことなのか?
どーゆー場合にあえてアナログ録音を選んでいたのか、非常に興味があるところ。

3枚目はバイロン・ジャニスの弾いたリストのピアノ協奏曲第1番・第2番その他。
「……ガイド」では、この「その他」のほうを紹介している。
ヴィニール盤としては「アンコール」と銘打ったピアノ小品集だったものが、CD化に当たっては分割されていろいろなアルバムの埋め草にされたとゆーことだ(今日聴いたものはリストの協奏曲とのカップリング)。
「……ガイド」紹介曲を聴くという目的から言えば、ヴィニール盤時代には「アンコール」という小品集に納められたハンガリー狂詩曲第6番などの曲が本命なのだが、正直言えば、リストのピアノ協奏曲の方が音はよい。
協奏曲では、ピアノのパルス成分が耳に刺さらないような絶妙なバランスで収録され、オケの暖色系統の音色と上手く溶け合っている。
これがピアノ小品になると、パルス成分が抑えられ過ぎで、ちょっとホコリっぽく感じてしまう。

最後は、サリバンのバレエ音楽「パイナップル・ポール」(c/wはサヴォイ・オペラ)。
これも「……ガイド」に紹介されているので、嶋の耳には名録音だったのだろうが、ワタシはあまり感心しなかった。
スタジオ録音のためなのだろーが、「……ガイド」の他の紹介曲で聴かれたよーなアンビエントが不足。
それに音量を絞ると途端に寸詰まりな音になってしまう。
逆に言えば、音量を上げると伸びやかな音に大化け。
これはどんな録音にも多かれ少なかれあることだが、このアルバムではその差が大きいと感じた。
ただ、これは今日使用したDT1350との相性の問題もあるかもしれない。
だから、「これは名録音とは言えない」とは断言しないでおく。

今日の読書
真山仁「コラプティオ」(文藝春秋)に着手し、半分まで。
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