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麻生幾の新作 [ミステリー]

今日のお供は、iMod + SR-71A + tf10。
tf10は勢いで聴かせるようなところがあるので、深く考えず大きめのボリュームで楽しむのが正解。
オケものをパッと聴く限りでは、申し分のない音でポータブルならこれでオシマイにしてもいいかなと思ったりもするが、分析的に聴き始めると物足りなくなるところも。
例えば、キース・ジャレット・トリオの「up for it」。
このトリオのアルバムの中で特に気に入っており、毎日、ハードウェアを変えて、このアルバムの中から数曲聴いている。
tf10ではピアノの高域のう~んと高いところがプッツリ切れてるように聴こえる。
これはEdition9によって聴き手のワタシの要求水準が上がってしまったためなのかもしれない。
しかし、東京ブラススタイルとかスペクトラムの管楽器を大きめの音量で聴く場合には不満を感じさせないから、要は使い分けということなのか?

今日の読書
麻生幾「ショットバー」(幻冬舎)読了。
麻生の新作はたいて発売日に購入するが、本作は数日遅れでの購入になった。
ミステリーだと思わなかったからだ。
表紙の装丁もタイトルもミステリーらしからぬ感じだが、帯に「わたしは自立した女になる」と大書してあったら、国際謀略スパイ小説だなんて誰もわからないんじゃないのか。
小さな文字で「捜査1課」、「外事警察」、「自衛隊」なんて文字があるけど、パッと見でそこまでは気づかないよ。
不勉強な書店だったらミステリー置き場に置くことすらしないだろう。

まぁ、装丁とか帯への不満はアホな編集者を罵ればよいだけのことだが、問題はナカミだ。
ストーリーはちゃんとしている(いつもの麻生のような小説を通じて警察内部の情報をはじめて知ったというような情報源としての魅力はあまりないけど)。
しかし、主人公の元上司、捜1の主任、謎の海自士官、外事2課の作業班長などなど魅力的な人物像になりそうなキャラクターがことごとくアッサリとスルーされてる。
行間を読めってことじゃ済まないよ。
こんなに軽~い扱いじゃ。

ボリュームは300ページ(原稿用紙600枚超)なので、ホントなら不足はない。
しかし、どーにも物足りなさが強い。
たとえて言えば、大長編ミステリーのシノプス(梗概)だけ読まされたような感じだ。
F・フォーサイスにも「ハイディング・プレイス」という有名な駄作があるが、正直、空虚な気分にさせる読後感は本作と「ハイディング・プレイイス」はよく似ている。
ちなみに、「ハイディング・プレイス」はフジテレビが高倉健主演で映像化するためにフォーサイスへシノプスの執筆を依頼したものだが、実際に映像化はされなかった。
どんな事情か分からぬが、梗概だけではフォーサイスらしさが出ずにつまらない作品に思われたから、映像化にゴーサインが出なかったということではないだろうか(活字媒体としても、日本語版は出版されたが、本国で英語版は出されることはなかった)。
してみると、本作も2時間ドラマかなんかの原案として、どっかの局から依頼された「やっつけ仕事」だったんだろうか?
麻生がなぜこんなものをかいたのか、それこそがイチバンのミステリーだ。
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わたぬきたぬき

おや!?
デザインが変わりましたね!^^
ところで僕、本あんまり読まないです...orz
今度、読書に挑戦しよっかな!
今まで読んだ本で印象に残ったのは、
「カシコギ」
「夢をかなえるゾウ」
「タイタンの妖女」
ですね。
「タイタンの妖女」
って結構いいっていうクチコミがあったのですが、読解力のない僕には一体なんのことやら
by わたぬきたぬき (2009-04-01 22:41) 

ms061027

デザインはだいたい月替わりで変更してます。
文字が読みやすいデザインと自分の好きな色彩がなかなか両立しなくて、毎月試行錯誤です。
本はいいですよ~。
ワタシは大学入ったころから雑読乱読が癖になりましたね。
う~ん、あの春からかれこれ27年たったか…(遠い目)
by ms061027 (2009-04-02 04:22) 

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