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「覇者と覇者」読了 [ミステリー]

今日のお供は、iPod6G + SR-71A + ER-4S。
現時点におけるワタシの標準器たる組合せだな。
いろいろな機械やその組合せを試すときに、アタマのなかで(たぶん無意識に)、この標準器に比べて、低域が過剰とか、高域がイタイだとか評価してるんだと思う。

聴いた曲は、グラズノフVn協、チャイコ懐かしい土地の思い出、Vn協(リットン、ベルゲンフィル、グルズマン。瑞BIS)、斉藤由貴「ripple」、山本剛トリオ「Once Apon A Dream」。
rippleは87年にリリースされた斉藤由貴のミニアルバム(6曲)で、全曲自身の作詞でアカペラの変わり種だが、精神安定剤的な効果がとても大きい。
昼休みにコーヒーをすすりながら、コレを聴いてると13時になったのも忘れてしまう。

さて、打川文三の未完の遺作「覇者と覇者」は読了。
二十年近くにわたる内戦の暫定的な平和への道程と、うわべの平和の中での混乱、こうした中で登場人物が死んだり、成長したり、振り返ったり……
折り合いをつけて生き延びた人、変わらないままの人、死んで決着をつけた人。
けっして、目出度し、目出度しにはしない流動性の続く決着だった(未完だけど)。
もしかすると未完だったから、話に膨らみが出ているところもあるのかな。

戦争のきっかけを作り、儲けて、和平を支える金を出し、影響力を行使し得る唯一の外国として米国が設定されている。
ここ数カ月の米国中心の金融の壊滅的状況を考えると、今となってはあり得ない設定で(突出した軍事力だけは変わらないが)、ナマの現実社会のほうが本作での内戦下日本よりも予測のつかない状況になってしまった。

三部作をまとめて読み返したい衝動にもかられたけれど、しばしクーリングオフすることにした。
そうでないと、前2作をこの第3部の視点で読んでしまいそうだから。
第3部の折り合いの付け方を忘却して、つまり戦後からの振り返りではなく、同時進行的に読んでこそ、この3部作の混沌とした流動性の下で登場人物が何をしたのかをウォッチしないと、この三部作は生きないと思う。

明日からは今野敏「触発」(中公文庫)の予定。
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