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ゼンハイザーIE8のスクランブル・テスト! [オーディオ]

ゼンハイザーの新作イヤホンIE8のエージングもだいたい30時間を経過したところでポータブルアンプなどの相性をテストしてみた。

IE8の基本的なキャラクターを確認すると、
・低域が少し膨らんだバランス
・中高域はおとなしく、ハイエンドは丸まっている(軽くハイ落ち)
・切れがよく音が飛び出すというより流れ出てくるような感じ
・低域は量で押し出してくるところが大きく、弾むような低域ではない
・音場は狭くないが、高さが出にくい
というところ。

まず、プレイヤーについては、iPod6Gの低域の塊り感によりIE8の低域に弾むようなキャラクターを付加できるのかなと考えたが、低域の量が多いままで、音がほぐれてくれないキャラクターが加わってしまい、あまり芳しくない。
アンプによっては、伴奏に強めの低音が入っていると、ヴォーカル領域が変調する場合もある(後述)。
低域をほぐすという意味では、iModのほうがよい。

Modケーブルはoort(東信・オーグライン)、DockStaar(BG・プラチナ入りオーグライン)の2種類所持しているが、音の違いはあまり大きくない。
僅差でoortのほうが音が穏やかというか、音の押しつけがましさが少ない。

で、肝心のアンプの比較。
軽くハイ落ちであるのをiQubeで補うことを狙ってみたが、高域が中域以下から浮いてしまい、ラウドスピーカーでいえば、スーパーツィーターでレベル調整を失敗したときのよう。(伊福部SF交響ファンタジー1番)

低域に弾み感を付加することを狙って、MOVEを試してみたが、これは上述のとおり、音がほぐれてくれず、ヴォーカル領域に変調を来してしまった。(原田知世「菩提樹の家」)

据置機並みの安定感が得られるかなということで、iBassoD1(627AU換装)をアナログ入力でアンプ部のみ使ってみると、まぁまぁの音。
ポータブルといえない大きさなんで、ちょっと躊躇うが、手持ちのアンプがこれでお終いなら、コレで行くのかなとも思ったが……

低域過剰のキャラがIE8とダブるので相性は良くないだろうと先入観を持っていたSR-71Aが実際にはとてもよい結果を出してくれた。
何よりも瑞瑞しい音が素晴らしい。
その音の瑞々しさが、ちょいハイ落ちなところ、低域過剰なバランスや音の出方が押しつけがましく感じさせかねないところをカバーしてくれたようだ。(前出曲のほかカルロス・クライバーのベト7ライブ)
とくにヴォーカル領域の暖かさは聴いていて気持ちがよい。(中本マリ・アルバム「Mari」)

意外な伏兵はMiniBox-E+で、SR-71Aとの差は僅差。
ただ、アンプの躯体が薄すぎて、ケーブルに折り曲げ癖を付けておいても入力端子に負荷がかかってしまい、端子がぐらつくことがある。
なお、iPod6Gの場合には、head-directで取り扱っているZY Hi-End Ipod Dock CableでつないだMiniBox-E+のほうがSR-71Aよりも聴きやすい音をだしてくれた。

以上総括すると、
iModの場合は、SR-71A ≧ MiniBox-E+ > D1 > iQube > MOVE
iPod6Gの場合は、MiniBox-E+ ≧ SR-71A > D1 > iQube >> MOVE
というところか。

手持ちの機械の組み合わせでは、iMod + SR-71A がIE8をドライブするのにイチバン相性がよかったが、すべての問題が解決されたわけではない。
気になっているのは、音場の高さがイマイチなこと。
村治佳織のアルバム「Transformation」の3曲目・4曲目には、遠方の鳥のさえずりがノイズとして入っているが、これはギターの音よりも高い位置から聴こえなきゃいかんのだが、同じ高さで遠くのほうから聴こえる音になってしまっている。
高さの違いを遠い・近いに変換して表現しているようだ。
まぁ、この辺はエージングをもう少し進めてみないと改善余地があるのかどうか判断できんのだけど。

さて、上述のレポートの中で「音の押しつけがましさ」という表現が何度か出てくるが、これはネガティヴなことばかりではない。
イヤホンらしからぬ音のたたずまいという側面もあり、ヘッドフォンっぽい音にも感ぜられ、これは他機(tf10、ER-4S、SA6)にはないIE8の特長ともいえる。
これを実感したのは、前掲伊福部の冒頭部分だ。
長所、短所はいろいろあれど、伊福部を聴くためのイヤホンと言うのなら(誰がそんなことを言うのかというのはおいといて)、いまのところIE8を最右翼に置きたい。

今日の読書
「まず石を投げよ」読了。
最終章が急展開過ぎというか、医師の謎の行動やTVプロデューサーのトラウマについて伏線が張られておらず、唐突感が否めない。
主人公の夫の浮気疑惑もなんだか誤魔化された感じだ。
伏線らしきものを全部最後に収拾をつけなきゃいけないわけでもないし、あからさまな伏線を張ってなきゃアンフェアということもないんだが、それでも少々雑な印象を受けた。
TVプロデューサーの友人の看護師長とか雑誌編集長が脇役としては、キャラクターが立っていて、よく作り込まれているので、ストーリー展開ももう少し丁寧にあつかえばよかったのになぁと思った次第。
明日は里見蘭「彼女の知らない彼女」(新潮社)を読む予定。

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