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ハイフェッツの3つの協奏曲 [「クラシック名録音究極ガイド」実聴]

日中は猛暑のため家の中に籠城を決め込み、夕方から散歩に出る。
今日のお供も引き続きCK4+P4+SE535(リケーブル)。

それほど長い時間ではなかったんで、聴いたのは1枚だけ。
ハイフェッツのVn協奏曲集(①シベリウス、②プロコフィエフ2番、③グラズノフ)。
どれも「LIVING STEREO」シリーズで録音年代も近い(①・②1959年、③1963年)。
しかし、ハイフェッツのVnとオケの関係性は三者三様のところが面白い。
シベリウスではCSOが脇役に回り、Vnを盛りたてている。
プロコフィエフ2番のボストン響はハイフェッツと五分で掛け合い(協奏曲としてはイチバンまっとうなスタンスか?)
グラズノフではRCAビクター響はけんか腰。
このうち「クラシック名録音究極ガイド」において紹介されているのはプロコフィエフだ。
プロコにおける音響上の特徴はステージの奥行きで、打楽器がちゃんと遠くに、他の楽器よりも輪郭をぼかして定位している。
嶋が推薦しているのも、このあたりの録音上の工夫に対しての評価なのだろう。
だが、ワタシは、ハイフェッツの切れ味が鋭くて艶っ気のあるVnの音を愉しむには、シベリウスにおける関係性が好ましいと思う。

それにしても、このVnの音が1959年録音だとゆー事実には毎度のことながら驚かされる。
この50年間で録音技術は何が進んだとゆーのか?
ワタシ自身は古い演奏の方がイイはずだとゆー信仰みたいなモンは持っていないのだが、録音に関しては時期の新しい・古いに関係なく「イイものはイイ」と思うようにはなった。
シュタルケルのVc、今日のハイフェッツのVn、E・クライバーのフィガロ、リフキンのピアノの録音における自然な聴かせ方が今のところのお気に入りだ。

今日のテレビ
WOWOWで総天然色版ウルトラQ「宇宙からの贈り物」(ナメゴン)を視たが、これには唖然・陶然・茫然。
これまでPCで予告とかを視たことはあったが、50吋のプラズマでHD規格のカラー版を視ると想像以上の出来だとゆーことがよく分かった。
ウルトラQのあと、ウルトラマンからカラー番組となったのだけれど、今回の総天然色版はウルトラマンと比較するよーなもんではなく、同時代のカラー映画と肩を並べる。
伊達に35mmで撮影してないね。
興味深かったことは、今回のカラーリゼーションは「色付け」に徹していることで、フィルムの汚れなどは除去しているよーだが、当時の合成技術の拙いところはそのまま残している。
当時の技術で35mmカラー撮影していたらどんな画になったのかとゆーことがテーマなんだろーな。
このウルトラQで十分驚いてしまったんで、夜になってから視た「海猿」シリーズ第3作の安易なCG多用のほうがチャチに思えてしまった。

今日の読書
「日本海軍400時間の証言 軍令部・参謀たちが語った敗戦」読了。
開戦、特攻、東京裁判に絞って構成されているが、開戦理由(海軍は何故開戦に反対しなかったのか)がイチバン興味深かった。
陸軍との予算分捕り合戦に負けぬよう開戦に反対できなかったという(反対したら予算が陸に回ってしまう)。
なんだ自民党政権下の農水・建設の公共事業における予算分捕り合戦と同じじゃないか……

これを読んで連想したのが山崎豊子「不毛地帯」で語られた戦争と石油のハナシ。
石油を手に入れようと戦争を始めてしまった軍人が戦後に商社マンとなって油田開発に成功させる。
「不毛地帯」が描いたものは、石油に始まり石油に終わるハナシだったとゆー見方もできる。
この石油渇望症が我が国における原発建設の原動力だったとまとめてしまうと、今次の震災は文字どおりの「第二の敗戦」であるとゆー因縁話になるのか?
そういえば、ロッキード疑獄も田中角栄が米帝に無断でアラブから石油を引っ張ろうとして、虎の尻尾を踏んでしまったのだとゆー説もあったなぁ。
誰か石油から論じた日本百年史みたいなもんを書いてくれんかな~。
もっとも、今次震災を客観視するにはまだ早いか……
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